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お金・住宅ローン

注文住宅にかかる費用の総額と内訳|土地・建物・付帯・諸費用に分けて解説

注文住宅にかかる費用の総額と内訳|土地・建物・付帯・諸費用に分けて解説
2026.10.13 | お金・住宅ローン
結論:建物側の費用は「本体工事+付帯工事+諸費用」の3層。本体工事は建物予算の75〜80%が目安

注文住宅の見積書に大きく出ている「建物本体工事費」は、建てるのに必要な支払いの全部ではありません。この記事では、土地代を除いた建物側の費用の合計を「建物予算」と呼びます。建物予算は次の3層でできています。

層 内容 建物予算(土地代を除く)に占める目安
① 本体工事費 基礎・構造・屋根・外壁・内装・住宅設備など、建物そのもの 75〜80%
② 付帯工事費(別途工事費) 給排水引込・屋外給排水・電気引込・地盤改良・外構・解体・カーテン・照明など 15〜20%
③ 諸費用 登記・住宅ローン費用・火災保険・印紙税・不動産取得税・確認申請/性能評価の申請料など 5〜10%

3つの幅はそれぞれ独立した目安なので、端どうしを足しても100%にはなりません。実際には合計が100%になる組み合わせ(たとえば①75%・②17%・③8%)で見ます。

さらに土地から探す場合は、この上に④土地代金+土地取得の諸費用(仲介手数料・所有権移転登記など)が乗ります。土地込みの総額は「建物予算+④」になります。

住宅会社が広告に出す「坪単価○○万円」は、多くの場合①だけを指します。①だけで資金計画を組むと、②③のぶんが後から出てきて、予算が合わなくなりがちです。本体工事費から建物予算を逆算するなら、本体工事費 ÷ 0.80 〜 本体工事費 ÷ 0.75、つまり本体工事費の約1.25〜1.33倍で見ておくと、大きく外れにくくなります。

奈良県で土地から探す場合の単価を並べると、次のようになります。

  • 土地:斑鳩(法隆寺周辺)坪30万円/王寺 坪40万円/JR奈良(奈良市中心部)坪40〜50万円/大和西大寺・学園前・生駒 坪50〜60万円(2026年9月時点で当社が土地探しの中で見ている相場。個別の土地は道路付けや形状で上下します)
  • 建物:当社の参考価格は、2階建てで80〜100万円/坪、平屋で100〜120万円/坪が目安です(税込・延床面積あたり・2026年9月時点)。地盤改良・設計料・構造計算費用・各種申請費・現場管理費を含む、建物本体にかかる実際のお支払い金額で、外構工事・登記費用・ローン保証料などは含みません。同じ坪数でも建物の形や大きさ、仕様のご希望で上下し、建材・設備メーカーの価格改定にあわせて見直すことがあります

当社の参考価格は、この記事の①本体工事費とは範囲が違います。上の3層に当てはめると次のようになります。

区分 当社の参考価格に含むもの 含まないもの
① 本体工事費 建物そのものの工事一式 —
② 付帯工事費 地盤改良(平均的な費用を見込み、本見積りで確定)、照明器具 外構工事、エアコン、カーテン本体、敷地に給排水・ガスの引込がない場合の引込工事
③ 諸費用 設計料、構造計算費用、確認申請・設計住宅性能評価などの申請費、現場管理費 登記費用、住宅ローンの諸費用(保証料など)、火災保険、地鎮祭

同じ「坪単価」でも会社によって中身がここまで違う、という一例です。当社の参考価格に②③の別途費用を足すときは、「含まないもの」の列だけを足します(含むものを重ねて足すと二重計上になります)。含むもの・含まないものの一覧は福井工務店の標準仕様と参考価格のページにまとめています。

同じ予算でも、斑鳩なら土地の坪単価が下がるぶん、土地を広く取るか建物に回すかを選べます。土地から探す注文住宅では、地価の差がそのまま「建物にいくら回せるか」に響きます。


011. 本体工事費とは:建物そのものにかかる工事費

本体工事費とは、建物の基礎から仕上げまで、建物そのものを造るための工事費を指します。仮設工事・基礎工事・木工事・屋根工事・外壁工事・内装工事・建具工事・住宅設備(キッチン、浴室、洗面、トイレ)・電気設備・給排水衛生設備・断熱工事などが含まれます。

坪単価の計算式は「本体工事費 ÷ 延床面積(坪)」が一般的ですが、この定義には法的な決まりがありません。そのため会社によって、どこまでを本体に入れるかが違います。

  • 屋外の給排水工事を本体に含める会社/別途にする会社
  • 照明器具・カーテンを本体に含める会社/別途にする会社
  • 延床面積で割る会社/施工面積(バルコニー・玄関ポーチ・小屋裏を含む)で割る会社

施工面積で割ると分母が大きくなり、同じ工事でも坪単価は数万円下がって見えます。坪単価を会社どうしで比べるときは、「分子に何が入っているか」「分母は延床か施工面積か」を聞いておくと安心です。ここが揃っていないと、数字を並べても比べたことになりにくいからです。

本体工事費のなかで金額が動きやすい項目

同じ延床30坪でも、次の要素で本体工事費は数百万円動きます。

  • 建物の形状:総二階の四角い箱がもっとも安くなりやすく、凹凸・下屋・平屋は外壁面積と屋根面積が増えるぶん上がります。平屋は基礎と屋根が同じ床面積の2階建てより大きくなるため、坪単価は高めに出ます
  • 構造の水準:許容応力度計算(構造計算)を行い、耐震等級3を取るには、壁量・金物・基礎配筋が増えます
  • 窓の仕様:樹脂サッシ・Low-E複層/トリプル・防犯合わせガラスなど。実例として、掃き出し窓1か所を防犯合わせガラスにすると、定価ベースで1窓あたり約99,400円上がったことがあります(2026年5月時点の見積)
  • 住宅設備のグレード:キッチン・浴室・洗面のグレード差は、3点合計で100万円単位になることも珍しくありません
  • 造作の量:造作家具・造作洗面・現場での木工事が増えるほど大工手間が増えます

なお、建材の値上がりは今も続いています。サッシは2026年5月に定価の改定(値上げ)があり、当社で見積もった例では、同じ窓の組み合わせで定価が約5.9%上がりました。2026年10月にも一部のメーカーで価格改定が予定されています(2026年9月時点)。当社の見積書は有効期限を発行日から1ヶ月とし、単価がいつ時点のものかも明記しています。検討が長引いたときは、半年前の見積をそのまま使わず、取り直しておくと安心です。

構造や断熱の水準が本体工事費のどこに効くかは、福井工務店の構造・性能に対する考え方をまとめた技術ページにまとめています。


022. 付帯工事費(別途工事費)とは:建物の外側でほぼ必ずかかる工事

付帯工事費とは、建物本体以外で、その敷地に住めるようにするために必要な工事の費用を指します。「別途工事費」とも呼びます。名前は「別途」でも、実際にはほとんどの現場でかかります。

主な項目と、金額が読めるタイミングは次のとおりです。

項目 内容 金額が確定するタイミング
地盤改良工事 地盤調査の結果、支持力が足りない場合の柱状改良・鋼管杭など 地盤調査後(土地決済後になることが多い)
屋外給排水工事 敷地内の給水・排水配管、公設桝への接続 配置計画の確定後
給水・排水の引込工事 前面道路の本管から敷地内へ引き込む工事。分担金・加入金が別途かかる自治体もある 現地調査・水道課協議後
電気・ガス引込 引込柱、幹線工事 配置計画の確定後
解体工事 既存建物がある場合 現地調査後
外構工事 駐車場土間、アプローチ、フェンス、門柱、植栽 設計終盤
照明器具・カーテン 会社により本体に含む場合あり 仕様決定時
空調機器 エアコン本体・設置 仕様決定時

このうち最後まで金額が読めないのが地盤改良です。地盤の強さは、地盤調査(住宅ではスウェーデン式サウンディング試験=現在のスクリューウエイト貫入試験が主流)をやってみないと確定しません。当社では、初回のお見積りの段階で改良業者に周辺の地盤データを取り寄せてもらって概算し、土地のご契約後に地盤調査を行って、本見積りで確定させています。過去には軟弱地盤で改良費が約150万円になった実例があります(2026-07時点の金額感)。地盤改良を別途工事として扱う会社の見積なら、資金計画に地盤改良の予備費を最初から積んでおくのが現実的な組み方になります。当社の参考価格と見積には、地盤改良の平均的な費用をあらかじめ見込んでいます。

外構も予算が崩れやすい項目です。建物の設計に集中しているうちに後回しになり、最後に金額を見て驚く、という順序になりやすいからです。当社で建てたお施主様の外構費は、100〜200万円の帯がいちばん多くなっています(2026年9月時点)。駐車台数やフェンス・門柱の有無、敷地の高低差で上下します。外構は概算でかまわないので、資金計画の最初の段階で金額を入れておくと安心です。


033. 諸費用とは:工事以外に、法令と契約で決まって出ていくお金

諸費用とは、工事そのものではなく、税・登記・保険・融資・申請に伴って支払う費用を指します。現金で支払うタイミングが早いものが多く、住宅ローンに組み込めるかどうかも金融機関によって異なります。ここは金額の根拠が法令にあるので、条文と数値で押さえられます。

この節では、土地を買うときにかかる費用(土地の所有権移転登記・土地分の不動産取得税・仲介手数料・土地の売買契約書の印紙税)も一緒に並べます。冒頭の③諸費用(建物予算の5〜10%)に入るのは建物側の分だけで、土地側の分は④の「土地取得の諸費用」として別に数えます。同じ費用を③と④の両方に入れて二重に数えないよう、気をつけておきたいところです。

3-1. 印紙税(印紙税法)

課税文書にあたる紙の契約書を作ったときに、収入印紙で納める税です。工事請負契約書と土地の売買契約書、金銭消費貸借契約書(住宅ローン契約)を紙で作れば、それぞれにかかります。電子契約で結ぶ場合は一般に印紙税がかからないので、契約の方式を先に確認しておいてください。

不動産譲渡契約書・建設工事請負契約書には租税特別措置法91条による軽減措置があり、記載金額に応じて次のとおりです(2026-09-10時点。軽減措置には適用期限があるため、契約時点で最新の期限を確認してください)。

契約金額 軽減後の印紙税額
1,000万円超〜5,000万円以下 1万円
5,000万円超〜1億円以下 3万円

住宅ローンの金銭消費貸借契約書は軽減措置の対象外で、1,000万円超5,000万円以下なら2万円です。

3-2. 登録免許税(登録免許税法)

登記のときに国に納める税です。土地・建物・抵当権でそれぞれ税率が違います。

登記の種類 本則税率 軽減税率(一定の要件を満たす場合・2026年9月時点)
建物の所有権保存登記(新築) 0.4% 0.15%(自己居住用の住宅用家屋。認定を受けた長期優良住宅・低炭素住宅は0.1%)
土地の所有権移転登記(売買) 2.0% 1.5%(租税特別措置法72条の軽減)
抵当権設定登記(住宅ローン) 債権額の0.4% 0.1%(自己居住用の住宅用家屋)

税額の元になる課税標準は、登記の種類で違います。土地の所有権移転登記は売買価格ではなく原則として固定資産税評価額、新築建物の所有権保存登記は評価額がまだないので法務局の新築建物課税標準価格認定基準による額、抵当権設定登記は債権額(借入額)が課税標準になります。住宅用家屋の軽減(租税特別措置法72条の2・73条・75条)を受けるには、床面積50㎡以上であること、自分が住むための住宅であること、新築・取得から決められた期間内に登記することなどの要件があり、市区町村長の住宅用家屋証明書が必要になります。要件を満たさなければ本則税率になります。軽減措置には適用期限があり、期限は制度ごとに違うので、登記の時点で法務局または依頼する司法書士に確認してください。

これらの登記は司法書士に依頼するのが通常で、登録免許税とは別に司法書士報酬がかかります。

3-3. 不動産取得税(地方税法)

土地・建物を取得したときに都道府県が課す税です。標準税率は4%ですが、住宅および住宅用土地は3%に軽減されています(地方税法附則11条の2。軽減には適用期限があり、2026年9月時点の内容)。

税額は売買価格ではなく、原則として固定資産税評価額をもとに計算します(税額=課税標準額×税率。新築住宅は評価額から控除した後の額が課税標準額)。新築住宅は、床面積50㎡以上240㎡以下(貸家共同住宅以外)であれば、課税標準から1,200万円が控除されます(地方税法73条の14第1項)。認定長期優良住宅なら1,300万円です。土地についても、決められた期間内に住宅を新築するなどの要件を満たし、減額を申請すると税額から一定額が差し引かれ、結果として税額がゼロになる場合もあります。差し引かれる額は土地の評価額・面積・住宅の床面積で変わります。

納税通知が届く時期は、取得したもの(土地か建物か)と都道府県によって違い、引渡しからかなり時間がたって届くことがあります(時期は県税事務所で確認できます)。引渡しの支払いが終わって落ち着いた頃に来るので、資金計画に最初から入れておくと、あとで慌てずに済みます。

土地を先に買う場合は、もう一つ気をつけたい点があります。 建物が完成する前に、土地分の納税通知が先に届くことがあります。住宅を建てる予定の土地には、申請によって納税を待ってもらい(徴収猶予)、住宅の完成後に減額を申請する仕組みがあります。申請の期限と要件は、建築地を管轄する県税事務所で確認してください。

3-4. 消費税

土地は非課税、建物は課税です(消費税法6条・別表第二)。土地の譲渡および貸付けは消費税の非課税取引と定められているためです。土地の売買で不動産会社に払う仲介手数料には消費税がかかります(仲介はサービスの提供なので)。

3-5. 仲介手数料(宅地建物取引業法46条・国土交通省告示)

不動産会社を通じて土地を買う場合の上限額です。原則として、売買価格400万円超なら「売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税」が上限です(宅地建物取引業法第46条に基づく国土交通省告示による速算式)。1,800万円の土地なら 1,800万×3%+6万=60万円、税込66万円が上限になります。ただし、価格の低い空家等の売買には、この速算式より高い上限を認める特例があります。価格の低い土地や古家付きの土地を買うときは、特例が使われるかどうかと金額を、媒介する不動産会社に契約前に確認してください。売主が直接売っている物件(売主物件)なら仲介手数料はかかりません。

3-6. 住宅ローン関係の費用

  • 融資事務手数料:定額型(3万〜5万円程度)と定率型(借入額の2.2%程度)があり、金融機関・商品で異なります
  • 保証料:一括前払い型(借入額の2%前後)と金利上乗せ型(0.2%程度)があります。保証会社を使わない金融機関もあります
  • 団体信用生命保険:一般団信は金利に含まれることが多いです。保障を上乗せした団信は、金利の上乗せがあるかどうかが金融機関・商品で分かれます

金利・保証料・団信の条件は金融機関ごとに違い、変更も頻繁です。具体的な数字は、借りる予定の金融機関でその時点の条件を確認するのが確実です(この記事で金額を載せていないのはこのためです)。

3-7. 火災保険・地震保険

構造・築年数・地域・補償範囲・水災の有無で保険料が大きく変わります。木造の省令準耐火構造にすると保険料が下がる商品が多くあります。長期一括契約(最長5年)にすると割引があります。

3-8. 申請・審査に関する費用

  • 建築確認申請手数料:指定確認検査機関または特定行政庁に支払います。建築基準法6条・6条の2に基づく手続きです
  • 完了検査手数料:建築基準法7条・7条の2
  • 設計住宅性能評価・建設住宅性能評価の申請料:住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく第三者評価
  • 住宅瑕疵担保責任保険の保険料:住宅瑕疵担保履行法により、新築住宅の請負人・売主には10年間の瑕疵担保責任を履行するための資力確保措置(保険加入または保証金供託)が義務づけられています。当社は保険で対応しています

当社の場合、建築確認申請・設計住宅性能評価・許容応力度計算・外皮計算の費用は、建物本体のお見積りに含めて提示しています。見積書のどこに申請費が入っているかは会社ごとに違うので、確かめておくと比べやすくなります。

なお、当社の見積書では、瑕疵担保責任保険の保険料を工事費に含めていて、別の項目にはしていません。他社の見積で「瑕疵保険料」の項目を見かけても、どちらも義務は同じように果たされています。見積書を比べるときは、項目の有無より、総額と含まれている工事範囲を見ると違いが分かりやすくなります。


044. 土地から探す場合:総額の組み立て方

土地を買って建てる場合、費用は「土地」と「建物」の2本立てではなく、土地代金・土地の諸費用・建物本体・付帯工事・建物の諸費用の5本立てになります。

土地から探すなら、次の順で数字を固めていきます。

  1. 総額の上限を決める
  2. 建物にいくら必要かを、希望する延床面積と仕様から先に置く
  3. 外構・諸費用を置く
  4. 残りが土地の上限になる
  5. その上限で、希望エリアに何坪の土地が買えるかを坪単価から逆算する

この順番には理由があります。土地を先に決めてから建物予算を残りで組むと、建物の性能を削ることになりやすいからです。構造・断熱は後から足せない部分なので、削るとしても最後に回したいところです。

土地の予算の置き方にもコツがあります。土地の予算は「目安」ではなく「上限」として決めておくと安心です。目安のままだと、建物と諸費用を足したときに総額が予算を超えやすくなります。上限として置いておけば、足し算が崩れません。

当社の最初の資金計画書に入る項目

当社が最初にお出しする資金計画書には、次の項目を入れています。

  • 建物(地盤改良・申請費を含む)
  • 外構
  • 登記・住宅ローンの諸費用
  • 火災保険・地鎮祭

引越し費用と家具・家電は、この資金計画書には入れていません。資金計画書とは別枠で見込んでおくと安心です。土地から探す場合は、これとは別に土地代金と土地の諸費用がかかります。

実例:奈良県内で土地から探した検討ケース

通勤1時間以内・平坦地・カーポートありという条件で土地を探した実例では、エリアごとの坪単価の差がそのまま買える広さの差になりました(2026年9月時点で当社が土地探しの中で見ている相場)。土地予算1,800万円で買える広さは、大和西大寺・学園前・生駒で約33坪、JR奈良(奈良市中心部)で36〜45坪、王寺で約45坪、斑鳩(法隆寺周辺)で約60坪です。同じ1,800万円でも、エリアを1つずらすだけで敷地が倍近く変わります。

土地の価格だけを見て「安い」と判断すると外れることもあります。当社で検討した高台の土地では、道路から玄関まで屋外階段が20段以上あり、解体が必要な既存建物には重機が入らず手壊しになります。造成・擁壁の費用も乗ります。土地代で浮いた分が付帯工事費で消えるどころか、超えることがあります。土地は「代金」ではなく「その土地に建てるための総額」で比べると、判断を誤りにくくなります。

エリアごとの坪単価は奈良の土地の坪単価をエリア別にまとめた記事で、法規制の違いは土地・法規制の記事一覧で詳しく扱っています。


055. お金が出ていく順番:支払いのタイミング

総額と同じくらい大事なのが、いつ、いくら現金が要るかです。一括で実行するタイプの住宅ローンは建物の引渡し時に実行されるのが一般的で、それより前の支払いは自己資金かつなぎ融資でまかなうことになります。ただし、土地分を先に実行する土地先行融資や、工事の進み具合に合わせて分けて実行する分割実行など、商品によって実行の時期は違います。

一般的な注文住宅の支払いは、たとえば次の順で発生します(代表的な例。支払いの回数・割合と、現金かローンかは、住宅会社との契約と利用するローン商品で変わります)。

時期 支払い 現金かローンか
土地の売買契約時 手付金(売買価格の5〜10%が目安) 自己資金
土地の決済・引渡し時 土地残代金、仲介手数料、登記費用 土地先行融資またはつなぎ融資
設計契約時 設計料の一部 自己資金
工事請負契約時 契約金(一般に工事費の10%程度) 自己資金、つなぎ融資、または分割実行
着工時 着工金 同上
上棟時 中間金 同上
引渡し時 残金、登記費用、火災保険料 住宅ローン実行

ここは会社によって扱いが大きく違います。当社は住宅ローンをご利用の場合、設計契約時に11万〜49.5万円(税込)をいただき、残り全額は引渡し時に一括でお支払いいただく形にしています(実績ベース。金額は建物の規模により幅があります)。着工金・中間金をいただかない形なので、つなぎ融資の利息や事務手数料の負担を抑えられ、まだ建っていない家に大きなお金を先に払うこともありません。現金でお建てになる場合は、通常どおり中間金をいただきます。

支払いのタイミングと家づくりの進み方の対応は、家づくりの流れとお金の支払い時期を段階ごとに整理したページで詳しく説明しています。


066. 次の一手:資金計画で最初にやるべき3つ

① 総額の上限を先に決める

「建物にいくらかけられるか」ではなく、「土地・建物・諸費用の全部を足していくらまでか」を先に決めます。この数字が決まっていると、後の判断がぶれにくくなります。月々返せる額から借入可能額を逆算し、自己資金を足す決め方が分かりやすいと思います。年収から出る「借りられる額」と「無理なく返せる額」は別物です。返済額から考えると、無理のない額に落ち着きやすくなります。

② 見積を取るときは「含まれていないもの」を聞く

見積書を比べるとき、差が出やすいのは書いてある項目より書いていない項目です。次の点を聞いておくと、比べやすくなります。

  • 屋外給排水・引込工事は含まれているか
  • 地盤改良の予算は見込まれているか(見込むなら金額と、調査後の精算方法)
  • 外構工事は含まれているか、含まれるならどこまでか
  • 照明器具・カーテン・エアコンは含まれているか
  • 諸費用(登記・保険・ローン費用・申請料)は別枠か
  • 見積の有効期限はいつまでか

③ 土地を見に行く前に、建物の予算を置く

土地を先に気に入ってしまうと、判断が「この土地を買うためにどう削るか」に変わります。建物と諸費用の枠を先に置いてから土地の上限を出すと、その順序を避けられます。

福井工務店に先にご相談いただければ、最初の資金計画書で建物(地盤改良・申請費を含む)・外構・登記やローンの諸費用・火災保険・地鎮祭まで入れた総額をお出しし、他社の見積と並べるときに「含まれていないもの」がどこにあるかも一緒に確認できます。


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07FAQ

注文住宅の費用の内訳はどうなっていますか?

本体工事費・付帯工事費(別途工事費)・諸費用の3層です。土地代を除いた建物予算に占める目安は、本体工事費が75〜80%、付帯工事費が15〜20%、諸費用が5〜10%で、3つの合計が100%になる組み合わせで見ます。本体工事費から建物予算を逆算するなら、本体工事費の約1.25〜1.33倍です。土地から購入する場合は、この上に土地代金と土地取得の諸費用(仲介手数料・所有権移転登記など)が加わります。広告の坪単価は、多くの場合本体工事費だけを指しています。

坪単価が安い会社は本当に総額も安いのですか?

坪単価の計算方法に法的な決まりがないため、比較には条件を揃える必要があります。分子(本体工事費に何を含めるか)と分母(延床面積か、バルコニーや玄関ポーチを含む施工面積か)が会社ごとに違い、施工面積で割ると同じ工事でも坪単価は下がって見えます。判断材料にするなら、坪単価ではなく、付帯工事と諸費用まで含めた総額と、その総額に含まれる工事範囲で比べると、違いが見えやすくなります。

福井工務店の坪単価には何が含まれていますか?

当社の参考価格は、2階建てで80〜100万円/坪、平屋で100〜120万円/坪が目安です(税込・延床面積あたり・2026年9月時点)。一般的な「本体工事費」より範囲が広く、地盤改良・設計料・構造計算費用・各種申請費・現場管理費を含む、建物本体にかかる実際のお支払い金額で、照明器具も標準に含みます。外構工事・登記費用・ローン保証料などは含みません。同じ坪数でも建物の形や大きさ、仕様のご希望で上下し、建材・設備メーカーの価格改定にあわせて見直すことがあります。

付帯工事費にはどんな項目が含まれますか?

地盤改良工事、屋外給排水工事、給水・排水の引込工事、電気やガスの引込、既存建物がある場合の解体工事、外構工事、照明器具、カーテン、エアコンなどです。このうち地盤改良は地盤調査をしてみないと必要性と金額が確定しないため、別途工事として扱う会社の見積なら、資金計画の段階で予備費として積んでおくのが現実的です。福井工務店では地盤改良の平均的な費用を参考価格に見込み、初回のお見積りは近隣の地盤データから概算し、土地のご契約後の地盤調査を経て本見積りで確定します。軟弱地盤に当たり、改良費が約150万円になった実例もあります(2026-07時点の金額感)。

諸費用は住宅ローンに組み込めますか?

金融機関と商品によって異なります。諸費用まで含めて借りられる商品もあれば、物件価格までに限られる商品もあります。また、土地の手付金や工事の契約金など、住宅ローンの実行より前に支払いが発生するものは、自己資金かつなぎ融資でまかなうのが一般的です(土地先行融資や分割実行を使える商品もあります)。条件は金融機関ごとに違い変更も頻繁なので、取引予定の金融機関でその時点の条件を確認してください。

注文住宅にかかる税金にはどんなものがありますか?

紙の契約書にかかる印紙税(租税特別措置法91条の軽減により、1,000万円超5,000万円以下の工事請負契約書・不動産売買契約書は1万円。電子契約なら一般にかからない)、登記時の登録免許税(建物の所有権保存登記は本則0.4%、自己居住用などの要件を満たす住宅用家屋は軽減で0.15%)、取得後の不動産取得税(住宅と住宅用土地は税率3%、新築住宅は固定資産税評価額から1,200万円控除した額に課税)、建物代金にかかる消費税です。軽減措置にはそれぞれ適用期限があります(2026-09-10時点の内容。登記や契約の時点で最新の期限を確認してください)。土地の譲渡は消費税法上の非課税取引のため消費税はかかりませんが、仲介手数料には消費税がかかります。

土地から探す場合、土地と建物のどちらの予算を先に決めるべきですか?

建物の予算を先に置く順番をおすすめしています。総額の上限を決めたうえで、希望する延床面積と仕様から建物本体と付帯工事の必要額を置き、諸費用を置き、残りを土地の上限とします。土地を先に決めると、建物側で調整するしかなくなり、構造や断熱など後から足せない部分を削ることになりがちです。なお土地の予算は「目安」ではなく「上限」として決めておくと安心です。目安のままだと、建物と諸費用を足したときに総額が予算を超えやすくなります。

支払いはいつ、いくら必要になりますか?

一般的には、土地の売買契約時の手付金(売買価格の5〜10%が目安)、土地決済時の残代金と登記費用、工事請負契約時の契約金、着工時、上棟時、引渡し時、という順で発生します(代表的な例で、支払いの回数や割合は契約によります)。一括実行型の住宅ローンは引渡し時に実行されるのが一般的なので、それ以前の支払いは自己資金かつなぎ融資が必要になります。土地先行融資や分割実行など、実行の時期は商品によって違います。福井工務店では住宅ローンをご利用の場合、設計契約時に11万〜49.5万円(税込)をいただき、残り全額は引渡し時に一括でお支払いいただく形にしているため、着工金・中間金にかかるつなぎ融資の負担を抑えられます。現金でお建てになる場合は通常どおり中間金をいただきます。

見積書の有効期限はどのくらいですか?

福井工務店の見積書の有効期限は、発行日から1ヶ月を標準としています。建材・住宅設備の価格改定が続いているためです。2026年5月にはサッシの定価改定があり、当社で見積もった例では、同じ窓の組み合わせで定価が約5.9%上がりました。2026年10月にもメーカーの価格改定が予定されています(2026年9月時点の情報)。数ヶ月前の見積をもとに資金計画を組んでいる場合は、取り直しておくと安心です。

福井 開人
この記事を書いた人 福井工務店 取締役 福井 開人

福井工務店の3代目。

設計から施工管理、資金計画、土地探しまで、家づくりの入口から出口までを担当します。

宅地建物取引士として、土地の仕入れ・販売も自社で手がけます。

はじめの一歩のご相談は、だいたい私が伺います。どんな段階でも、お気軽にどうぞ。

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福井工務店は創業約60年、設計から施工まで自社で一貫して手がける、奈良県斑鳩町の工務店です。土地が本当に建てられるかの判断から概算見積りまで、購入前の段階からご相談いただけます。

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